貝類

イボキサゴ
[ニシキウズガイ上科ニシキウズガイ科]

水中のプランクトンを食べて生活しています。三番瀬ではかつてたくさん生息していて、田畑の肥料やおはじきにして遊んだと言われたほど身近な貝でした。しかし埋め立てや水質悪化とともに絶滅。しばらく姿を消していましたが、約50年ぶりに三番瀬全域で生息が確認されました。日の出干潟でも沖の方でイボキサゴを観察することができます。

 

 

イボニシ
[吸腔目アッキガイ科]

黒っぽい殻の色にいぼ状の突起がついているのが特徴です。護岸や石の一部によく集まっていて、カキやフジツボなどを食べています。初夏頃から日陰で黄色の卵塊をびっしりと産卵しているのでよく目につきます。人との関わりは深く、独特の辛味を持つ珍味として食べられていたり、貝紫染めの染料の原料として使われていたりしました。

 

 

アサリ
[マルスダレガイ目マルスダレガイ科]

干潟で最も有名な二枚貝!しかしアサリが二枚貝の中でもずば抜けて多様な模様を持っていることは、実はあまり知られていません。その模様も地域ごとに異なり、特に東京湾のアサリは他の地域と比べてもとにかくオシャレ!模様がはっきりしていて色味も多く、眺めていても飽きません。1つとして同じ模様はないといわれるアサリ。お気に入りをさがしてはいかが?

 

 

タマキビ
[吸腔目タマキビ科]

ずんぐりむっくりした小さな巻貝です。海岸の岩場に生息している貝で、三番瀬では護岸の波打ち際の少し上くらいに位置に集団でいます。海と絶妙な距離感を持って生活していて、水嫌いの貝として知られています。タマキビを海水に入れると這い上がってくる様子が観察できます。

 

 

ホンビノスガイ
[マルスダレガイ目マルスダレガイ科]

北米からやってきた外来種です。1990年代に東京湾で初めて確認されました。それ以降、数を増やしていて、三番瀬や谷津干潟、お台場海浜公園などで大量に見られます。在来の二枚貝に比べると青潮などの貧酸素環境に強く、日本在来の貝がいなくなった環境でたくましく生きています。殻には年輪のような跡がハッキリと刻まれていて、触るとザラザラしています。

 

 

マテガイ
 [異歯亜綱マテガイ科]

細長い二枚貝で、穴に塩を入れる変わった採集が人気を集めています。干潟の二枚貝の中では砂に潜らせたらとにかく早いです!薄く細長い貝殻は素早く潜るために進化したのかもしれません。また水管に秘密があって刺激を受けると、まるで切り取り線があるかのようにキレイに切れます。手軽に食べられるエサだと思われているのか、こればかり食べる魚もいるほどです。

 

 

エビ・カニの仲間

ユビナガホンヤドカリ
[十脚目ホンヤドカリ科]

干潟のヤドカリといったら本種!どこの干潟でも見られ、大きな石やカキ殻の周りにたくさんの個体が群れています。ムチのような細長い触角と右手のハサミが大きくなることが特徴です。冬から春先には交尾前ガードと呼ばれるオスがメスの入った貝殻を持ち歩く繁殖行動が見られ、メスをめぐるオス同士のバトルが観察できます。

 

 

マメコブシガニ
[十脚目コブシガニ科]

丸くて硬い甲羅につぶらな眼が特徴のカニです。干潟の他のカニと比べると前歩きが得意で、よく“前に倣え”のポーズのように腕を伸ばして前進しています。干潟では潮だまりや澪筋など水中にいることが多いです。食べ物のにおいには敏感で、においがする方に急に走り出します。よく見かけるカニですが、子供がどこにいるのか未だ分かっていません。

 

 

イシガニ
[十脚目ガザミ科]

一番後ろの脚の先端がオール状になっていて泳ぐことができるカニ。干潟では石の下などからよく見つかります。強力なハサミを持っていて挟まれるとケガをするので注意が必要です。眼も良く、安易に捕まえようとすると素早くハサミで攻撃してきます。同じ仲間のガザミと似ていますが、甲羅の左右に大きく突き出るトゲがないことで見分けられます。

 

 

イソガニ
[十脚目モクズガニ科]

海辺の岩場でよく見かけるカニです。迷彩柄のような独特なまだら模様があるので、他のカニと見分けるのが簡単です。またオスにだけハサミの付け根にぷにぷにとした袋が付いています。挟む力が強いので触る時は注意が必要です。三番瀬では護岸下の岩場やテトラポットのすき間によく隠れています。

 

 

タカノケフサイソガニ
[十脚目モクズガニ科]

河口や干潟でよく見かけるカニで、護岸や石の下、牡蠣のすき間などに隠れています。隠れ場所に好みがあるようで、好みの石をひっくり返すと、驚くほどうじゃうじゃ出てきます。名前の通り、オスにだけハサミの付け根に毛の房が付いているのが特徴です。子供の時は黒白模様や緑色などカラフルな体色を持つ個体が多く、見ていて飽きません。

 

 

魚類

アカエイ
[トビエイ目アカエイ科]

三番瀬でよく見かけるエイの仲間で、大きくなると1m以上にもなります。境川など波静かな場所で泳ぐ姿や浅場でじっとしている姿を観察することができます。砂の中の生物を食べる肉食の魚で、干潟にクレーターのようなくぼみがあれば、アカエイが砂を掘った跡かもしれません。

 

 

チチブ
[スズキ目ハゼ科]

転石や護岸のタイドプールのすき間を網でガサガサすると採れるハゼの仲間です。体色は褐色~黒色で、ほっぺに白く小さな斑点がちりばめられているのが特徴です。ある日、水槽で観察していると、口よりも大きいカニをつかまえて頬張っていました。他にも小魚や藻類など様々なものを食べる雑食性の魚です。

 

 

マハゼ
[スズキ目ハゼ科]

河川の下流から干潟に生息するハゼの仲間です。古くから江戸前の重要な食材であり、ハゼ釣りは秋の風物詩として、親しまれてきました。雑食性で、最大25㎝程になります。春に生まれた稚魚は、夏から秋に大きく成長し、冬前には繁殖の準備に入ります。そして翌春に繁殖し、その一生を終えます。

 

 

アゴハゼ
[スズキ目ハゼ科]

全長8㎝程の小型のハゼです。岩礁やタイドプールでよく見られる種類で、春~初夏頃は幼魚が群れになって泳ぎ回るのを観察することができます。石などの下に砂を掘って巣を作り、産卵し、卵はオスが守ります。マハゼ同様、繁殖活動を終えるとその一生を終えます。

 

 

ナベカ
[スズキ目イソギンポ科]

全長8cmほどのギンポの仲間です。鮮やかな黄色の虎模様が特徴です。繁殖期になると、雄は黒っぽい婚姻色へと変化し、求愛ダンスでメスへアピールする習性を持っています。岩礁、タイドプールなどで見られ、オオヘビガイやカキ殻などの狭いすき間を棲みかにします。漂着した空ビンなどに隠れていることもあります。

 

 

イダテンギンポ
[スズキ目イソギンポ科]

全長13cm程のギンポの仲間です。岩礁やタイドプール、河口付近のカキ礁がある場所でよく見られ、硬く鋭いカキ殻は天敵から身を守りやすいため、好んで棲みかにします。産卵もカキ殻を活用することが多く、卵を守るのはオスの役目です。見かけによらず、鋭い牙を持っており、身に危険が及ぶと噛みつきます。
 

 

 

ボラ
[ボラ目ボラ科]

東京湾でよく見られる魚で、全長50㎝程。雑食性で、藻類やデトリタス(水底に積もった有機物の粒子)などを食べます。泥が混ざった有機物をうまく消化するための幽門という器官が発達しているのが特徴です。よく跳ねる魚で、三番瀬でも、バシャバシャ水面を揺らしているのはこの種です。

 

 

その他

ミズクラゲ
[旗口クラゲ目ミズクラゲ科]

クラゲと言ったら本種を思い浮かべるのではないでしょうか?東京湾は日本の中でも特に個体数が多いことで有名で、港などをのぞき込むと大量のミズクラゲがふわふわ泳いでいる姿が観察できます。干潟では弱って打ち上げられている個体がいますが、肌が弱い子は要注意。他のクラゲに比べると弱いですが、ちゃんと毒を持っています。

 

 

タテジマイソギンチャク
[イソギンチャク目タテジマイソギンチャク科]

潮が引いた後に石や護岸を見るとたくさんのぷるぷるゼリーがくっついていることがあります。よく見るとオレンジ色の細い縦じまが走っていたら本種かもしれません。東京湾ではいたるところで観察でき、護岸だけでなく牡蠣殻などにもよくくっついています。再び潮が上がってくると花びらのような触手を広げて獲物を待ちます。

 

 

タマシキゴカイ
[イトゴカイ目タマシキゴカイ科]

干潟に砂で作ったモンブランケーキがあれば、本種のうんちかもしれません。このうんちはタマシキゴカイが干潟の砂を食べて、中の有機物を吸収した後に吐き出したもので、汚くありません。またうんちの近くにある茶色の水風船のようなものは卵の塊で数万個もの小さな卵が入っています。

 
 

ホンヤドカリ科

ユビナガホンヤドカリ

コブシガニ科

マメコブシガニ

ガザミ科

イシガニ

モクズガニ科

イソガニ
タカノケフサイソガニ

トビエイ目アカエイ科

アカエイ

スズキ目ハゼ科

チチブ
マハゼ
アゴハゼ

スズキ目イソギンポ科

ナベカ
イダテンギンポ

ボラ目ボラ科

ボラ

旗口クラゲ目ミズクラゲ科

ミズクラゲ

イソギンチャク目タテジマイソギンチャク科

タテジマイソギンチャク

イトゴカイ目タマシキゴカイ科

タマシキゴカイ