VR動画で荒川を体験!

動画であらかわボートクルーズ

※スマートフォン環境でVR視点でご覧になりたい方はYoutubeアプリの使用を推奨します

動画で荒川の自然を感じよう!

2020年10月25日に行われたイベント「あらかわボートクルーズ」の模様を、VR動画としてご紹介します。荒川の河川敷にある自然豊かな湿地のすぐそばで、人々が生活する様子がわかります。普段は見られない川から見た足立区をぜひ御覧ください。

みどころ紹介

新田リバーステーション(00:00)

今回、船に乗り降りするために利用した「川の駅」。平時は観光などのために使われていますが、災害などの緊急時には復旧活動に必要な資機材や救援物資等の積み下ろしに使われます。


新田わくわく広場前わんど(00:42)

新田の河川敷の公園「新田わくわく広場」の前にある「わんど」です。「わんど」とは、川岸が入り組んだ地形で土や植物に囲まれている場所のことです。奥まった地形によりゆるやかな水の流れとなり、魚類や甲殻類などの多くの水生生物が暮らせる場所になります。

 

壁面にはたくさんの巣穴が!

河川敷の壁面を見るとたくさん穴が空いています。これらはカニが掘った巣穴です。気温の高い春から秋にかけて、巣穴の周辺にはたくさんのカニが見られます。

 

クロベンケイガニ
[十脚目ベンケイガニ科]

河川下流の汽水域(※)に生息するカニで、黒から紫色の体色が特徴です。雑食性で植物の葉や生物の死骸を食べます。

ベンケイガニ
[十脚目ベンケイガニ科]

河川下流の汽水域に生息するカニで、橙から赤の体色が特徴です。クロベンケイガニと一緒にいることが多くあります。

 モクズガニ
[十脚目モクズガニ科]

 河川中流から下流域に生息するカニです。春は放仔(ほうし※)のため河口付近まで移動します。ハサミに茶色いフサフサの毛が生えていることが名前の由来となっています。 

※汽水域とは海水と淡水が混ざり合う場所の事です。
※放仔(ほうし)とはカニやエビのメスがふ化直後の幼生を水中に放す事です。

川に浮かぶペットボトル

荒川の水面にところどころ色のついたペットボトルが浮いています。これはゴミとして捨てられたものではなく、漁師さんがウナギ漁の罠の目印として浮かべているものです。ウナギは水質汚染が深刻だった1960年代後半から1970年代前半には姿を消してしまいましたが、現在ではまた姿が見られるようになってきました。

 

千住桜木自然地(03:13)

西新井橋の上流側に作られた自然地で、2020年5月に工事を終えたばかり。近年減ってしまったヨシ原や干潟を保全・育成するために整備されました。同年の6月には環境省のレッドリスト絶滅危惧Ⅱ類に指定されているコアジサシの親子も確認され、野鳥の生息地としても期待されています。

 

波から岸と生き物を守る木工沈床

荒川には日常的に多くの舟が通っていますが、航行の際に出る波は川岸を削り、生き物や土砂を流してしまいます。それらの波を防ぐためにここには石を積んで木枠で固定した木工沈床(もっこうちんちょう)工の壁があります。石の隙間には魚やカニなどの水生生物が暮らし、それらをエサとする野鳥も集まります。

 
 

アオサギ
[ペリカン目サギ科]

灰から暗青色の体色が特徴の、翼を広げると2m近くまである大型のサギです。主に魚類を食べ、水辺でエサをじっと待ち伏せています。

 

コサギ
[ペリカン目サギ科]

白い体色の小型のサギで、足の指が黄色い事が特徴です。魚類や甲殻類などの水生生物を食べ、足で川底をかき回しながらエサを探します。

 

 オオバン
[ツル目クイナ科]

冬にユーラシア大陸の北部からやってくる冬鳥です。主に草食で、足に弁足と言われるヒダ状の水かきがあり、泳ぐのが得意です。


北千住付近の鉄道橋(05:28)

北千住駅は東京を代表するターミナル駅の一つです。北千住の付近では、東京メトロ日比谷線、JR常磐線、つくばエクスプレス、東武伊勢崎線の計4路線の鉄橋がかかっています。頻繁に電車が行き来し、動画でも舟の上を電車が走る姿がみられます。

 

謎のロケット(07:14)

荒川に浮かぶ謎の青いロケットのような塔があります。これは荒川の水位を観測している観測塔です。台風や大雨など洪水に備えて、荒川の水量を計測しています。記憶に新しい2019年10月の台風19号の際は西新井の観測では5mを超えていました。街が水没しないように、荒川の堤防は市民を守っています。
 
大雨で増水が気になった時は、荒川下流河川事務所のホームページで現在の水量を確認することができます。
[外部]荒川下流河川事務所「現在の水位・雨量・映像」

 

本木わんど(08:06)

平成13年から整備された「わんど」です。千住桜木自然地と同じように木工沈床で岸が守られ、奥には干潟やヨシ原があります。
整備されてから時間が立つため、ヨシが生え過ぎたりゴミが溜まったりしてしまうため、区民団体が主体となって清掃や保全活動を行っています。

 

ダイサギ
[ペリカン目サギ科]

体色が白の大型のサギです。本種は脚の指まで黒いのが特徴です。繁殖期になると嘴が黒くなります。河川や水路、田んぼや池などの水辺に生息し、魚類や甲殻類を捕食します。

カワウ
[カツオドリ目ウ科]

体色が黒で喉元が白色、エメラルドグリーンの眼が特徴です。脚には水かきがあり潜水が得意な鳥です。魚にも負けないスピードで水中を泳ぎ、捕食することができます。

ハマシギ
[チドリ目シギ科]

本州では旅鳥または冬鳥として飛来し、春が過ぎると繁殖地のロシアやアラスカに移動します。潮の引いた干潟などでゴカイや小型の甲殻類などを集団で捕食します。

街のゴミが川を海を汚してしまう

荒川の河川敷にはペットボトルやレジ袋など、普段の生活で使われたもののごみが各所で見受けられます。これらは景観上の問題なのはもちろんですが、生物が誤って食べるなど生態系への影響も懸念されます。
 
荒川は私達のいこいの場であり、生き物たちが豊かに暮らす場所です。これからも荒川の豊かさを守っていくために、私達にどんな事が出来るか考えてみましょう。