自然公園を守る!東京都レンジャー

Protect  Mt,mitake! Tokyo Metropolitan Govemment Ranger

自然公園を守る東京都レンジャーとは?


東京都レンジャーこと自然保護指導員は、東京都内の自然公園の保護と適切な利用を図るために活動をしている方々です。通称:都レンジャー!
都レンジャーは地域ごとに分かれて活動をしており、大きくは多摩地域と小笠原地域、多摩地域でも奥多摩、御岳山、高尾山、檜原の4つの地区に分かれています。
地区ごとに専属の都レンジャーが活動しており、日々山内で様々な業務を行っています。

 
ニホンジカのオスが木立にいる様子

 

 
 
●都レンジャーの見分け方

都レンジャーは山登りの格好がユニフォーム。そのため、普段は登山者に紛れていることもしばしば。しかし、よく見ると都レンジャーの証である「R」のロゴが入っています!明るい色のジャケットを着ている事が多いようです。

都レンジャーのお仕事紹介


都レンジャーは山内でいったいどのようなお仕事をしているのでしょう?
その内容の一部をご紹介します!

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

登山道の巡視

東京都で管理をしている登山道を定期的に歩き、登山道に問題がないか、植生は健全か、どのような動植物があるのか、道に迷いやすい場所はないか…などの確認を行っています。特に台風や大雪の後には登山道が荒れてしまうため、緊急対応として巡視をして安全かどうかを確認します。そのときはビジターセンターも協力をして巡視を行い、一早く山内の登山道の状況を把握するように協力し合います!

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

登山道や自然公園施設の整備

巡視の際に見つけた安全が確認できない登山道などは、程度によっては都レンジャーが補修することもあります。滑りやすい登山道では木道を設置したり、迷いやすい場所では指導標を設置したり…まるで土木工事のお仕事をしているようです。東京都の登山道は利用者も多いため、このような整備の仕事を行うことは多いのです。

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

動植物、希少種の調査

登山道を巡視しながら、動植物の確認や希少種の調査などを行っています。特に山の上の希少種などは歩いて定期的に確認を行うのは大変です。都レンジャーたちは巡視をしながら東京都に残されている希少な自然も見守っています。時にはセンサーカメラなどを設置して、どのような動物が生息しているかなども調べています。

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

自然公園の適切な利用を図る

都レンジャーには、東京都の自然公園の正しい利用ルールを周知するという役割もあります。登山道を巡視しながら、適切な利用ではない場合に声をかけたり、安全登山キャンペーンなどを警視庁やビジターセンターなどと協力をして開催します。安全登山キャンペーンとは、装備や登山ルートの相談、登山届の書き方、提出の仕方などをお伝えしているものです。

都レンジャーを支えるサポートレンジャー


都レンジャーの業務を支えるサポートレンジャーとは、都レンジャーの業務をサポートするボランティアスタッフのことです。特に作業に人手がかかるようなときに、一緒に活動をしています。

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

登山道の整備

登山道の整備は、場所によってはとても人手がかかる作業となります。そのようなときはサポートレンジャーの出番です!都レンジャーだけでは大変なことも、サポートレンジャーの支えによって出来ることが増えます。登山道の整備は一見地味な作業ですが、自然公園を歩く私たちのために行われている大切な作業のひとつです。

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

自然調査(堅果類調査)

都レンジャーとサポートレンジャーは毎年、秋になると山内の堅果類の調査を行います。堅果類とはここではドングリの仲間をさしていて、ミズナラやブナなどがどのくらい結実しているかを調べています。カウンターでドングリの数を数えて、記録をとります。堅果類は様々な生きものたちを支える資源であり、その年の豊作凶作かの記録をとることは自然界の変化を調べる事にもなります。

自然公園に起きている様々な問題


自然公園は自然を残していくための生態系保護の役割としての機能だけではなく、野外レクリエーションを行うための場や癒しの場としての機能を持ち合わせています。園内にある美しい自然の風景地を保護しつつ、利用者にも楽しんでもらうためレンジャーの業務の中には、自然公園が抱える問題を解決するというものがあります。
御岳山のある秩父多摩甲斐国立公園にはいったい、どのような問題があるのでしょうか?その一部をご紹介します。  

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

自然公園のオーバーユース

御岳山を含む秩父多摩甲斐国立公園は、近年の登山ブームもあり多くの方が訪れます。もともとある登山道から外れて歩きやすい道を勝手に作ってしまったり、ゴミのポイ捨てや不法投棄、火の利用マナー、風景や動植物の撮影時などの踏みつけによる植性の荒廃など人の利用が多い故の様々な問題が発生しています。

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

希少な植物の盗掘

東京都に残されている豊かな自然の中には、絶滅が心配されている動植物が多数生息、生育しています。特に植物は動けないため、逃げることもできないため、人の手によって持ち去られてしまうことがあります。植物がその場所からなくなってしまう可能性があるので、植物は生えているその場所で毎年楽しむようにしましょう。

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

登山者の山岳事故(山岳救助隊による救助の様子)

秩父多摩甲斐国立公園は都心部に近いこともあり、自然公園の利用者が多い半面、山岳事故も多い場所です。御岳山山域でも、登山と思わずに軽装のまま登山道を進んでしまう場合があります。また、体力不足や登山前の準備不足による事故も多くあります。都レンジャーが巡視中に出会った方を救助する事例も少なくありません。みなさん、お世話にならないようにしっかり登山計画を立てましょう。

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

ニホンジカの増加による植生の変化

東京都には昔から暮らしていたニホンジカですが、近年数が増えたことにより異変が起きています。御岳山内では2000年代に入ってからシカを目撃することが増え始めました。シカが生きていくためには多くの植物を食べる必要があります。そのためここ20年あまりで山内の植生も変わってきています。シカも一生懸命生きている証ではありますが、このままでは山の景観が変わってしまいます。

私たちにも出来る!自然公園、山の守り方!


普段、ハイキングや山登りを通して自然公園に親しんでいる私たち利用者にも、山のために、自然のために出来ることがあります。
それはひとつひとつは小さなことかもしれませんが、自然公園を訪れるすべての人々が意識をすることで守ることに繋がっていくことだと思います。  

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

登山道をきちんと歩こう!

登山道を外れて歩いてしまうと、周りに生えている植物を荒らしてしまう事になります。また、登山道ではない道に新しく踏み跡を付けてしまう事で、別の登山者がそこを道と勘違いして道に迷い、遭難へと繋がってしまう恐れもあります。山の植生のためにも、道迷いを防ぐためにも、外れずに登山道をしっかり歩きましょう!

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

ゴミは持ち帰る、落とさないように気を付けよう!

御岳山内で見かけるゴミは落とそうとしているゴミではなく「落としてしまったゴミ」が多いです。ポケットやザックに入れようとしたけれど、間違えて落としてしまったなどはよくある事だと思います。一人一人が、山に落とし物をしないように気を付けていきましょう!

  
樹皮が一部剥げてしまっている木

動植物を大切にしよう!

東京というと都市部のイメージが強い印象がありますが御岳山を含む、秩父多摩甲斐国立公園など、都内には自然公園があり、様々な動植物に出会える豊かな自然が残されています。しかし、植物の盗掘、登山道から外れることによる踏圧、ゴミの問題など、人間による自然に対しての影響は少なからず出ています。豊かな自然を未来に残していくためにも、利用者一人一人が基本的なルールやマナーを守ることが重要です。みんなで大切に自然を見守っていきましょう!

 
黒く丸い糞がたくさん落ちている

事故のないように、安全登山を心がけよう!

手軽に訪れることができる奥多摩の山域では季節を問わず事故が発生しています。それは、道迷いや滑落など様々なケースがありますが、時には死亡事故に繋がることもあります。「登山届を提出してから山へ行く」、「天気予報をしっかり確認して準備をしていく」、「ビジターセンターで事前に情報収集をする」などして安全登山を心掛けましょう!

都レンジャーのお仕事体験のイベント


御岳ビジターセンターでは、都レンジャーにご協力いただいて、山内の整備作業を行う「都レンジャー体験」のイベントを行っています。作業内容はその時、必要な作業を行うので様々です。例えば、登山道の整備をしたり、登山道の指導標を直したり...。
「山のためになにか作業がしたい!」「都レンジャーの仕事に興味がある!」という方にオススメです。
 
※2022年度はコロナウイルス感染症の影響を鑑みて、都レンジャー体験のイベントの実施の予定はありません。 
※イベントに際して地権者の許可をいただいております。

2020年1月に行った都レンジャー体験のイベントでは、東京都青梅市にある高水三山での登山道整備を行いました。具体的な作業としては、登山道が踏み荒らしによって広がってしまった場所を元の幅に戻す、滑りやすい場所に階段を作り歩きやすくする、などの作業を行いました。
一見するととても地味な作業ではありますが、階段を作ることで登山中の事故を減らすことができ、また登山道の踏み荒らしを防ぐことは道の周りの植生への影響を考えるととても大切な作業です。

  
職員がメジャーを持って計測している様子

①都レンジャーから、作業の前に道具を説明する様子

 
生い茂っているレンゲショウマ

②この山がどんな場所なのか説明している様子

 

  
職員がメジャーを持って計測している様子

➂作業開始!こちらの班は、まずは丸太を切って…

 
生い茂っているレンゲショウマ

④切り終わった丸太を運んで…

 

  
職員がメジャーを持って計測している様子

⑤運んできた、丸太を地面に動かないように設置

 
生い茂っているレンゲショウマ

⑥これは登山道の「階段」を作る作業でした!

 

都レンジャーより皆様にメッセージ


御岳山で活動している都レンジャーより、御岳山や自然公園を利用する皆様へのメッセージです。

  
職員がメジャーを持って計測している様子

作業のため各地区から集まったレンジャー

 こんにちは!御岳レンジャー一同です。御岳山周辺は豊かな自然を満喫することのできる素敵なエリアです。オススメのコースは、初心者・家族連れの方にはロックガーデン、本格的なハイカーには鎖場もある大岳山です。安全に、楽しい時間を過ごしてもらうためにも、天候や体調、登山装備など、基本的な確認はとても重要。装備をバッチリ整えてお越しください。そして、旬な自然情報や登山情報は、御岳ビジターセンターにぜひ確認してくださいね!私たち御岳レンジャーの証である「R」のロゴを見かけた際にはぜひお声がけください。みなさまとお会いできるのを楽しみにしています!

 

都レンジャーや自然公園のこともっと知りたい!


都レンジャー発信のTwitter

都レンジャーは日々の業務のことや東京の自然公園の旬な自然情報などを「Twitter」を通して発信しています!誰よりも東京の自然公園を歩いている都レンジャーからの情報は、自然や登山道情報がタイムリーに分かります。
 
<都レンジャーのTwitter「東京都 環境・自然」はこちらからチェック!>
https://twitter.com/tochokankyo
 

都レンジャー発信の月1ニュース

都レンジャーの活動がもっと知りたい!あなたにはぜひ、都レンジャーニュースを見てもらうのがオススメです。都レンジャーが月1で発行している「都レンジャーニュース」は都レンジャーの活動や、都レンジャーが月毎にテーマを変えてトピックスを紹介しています。
 
<都レンジャーニュースはこちらからチェック!>
LinkIcon https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/naturepark/join/toranger/news.html
 

自然公園ルールのお願い

自然公園には「自然公園利用ルール」というものがあります。これは東京都が作成したみなさまへの公園を利用するにあたってのお願いになります。
動植物を大切にする、ゴミを捨てない…などなど当たり前なこともありますが、ぜひ自然公園を利用する際には今一度確認をして、豊かな環境の自然公園が後世に伝わるようにしていきましょう。
 
<自然公園利用ルールはこちらからチェック!>
LinkIcon https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/naturepark/know/rule/sakutei.html(東京都環境局)

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